今日、新市街にある高級エリアをお散歩していたら、身なりの良い老婦人に突然声をかけ
られました。 いかにもアメリカ人らしい発音の英語で「英語は話せますか?」
その女性の話によると、
昨日ロス・アンジェルスから到着したばかりなのだが、カタルーニャ広場
(バルセロナの中心にある
大きな広場)でひったくりに遭い、パスポートも現金もカードもすべて取られてしまった。
パスポートやカードの紛失の連絡は昨日のうちに済ませたのだが、どうしてももう1度カード
会社に電話しなくてはならず、現金がなくて困っている。バルで電話を借りようと思ったが、
どこに入っても英語が通じず、途方に暮れている・・・とざっとそんな話。
話を聞きながら私の頭に浮かんだのは、「この人、ホントのことを言っているのかしら?」
ということ。
さりげなく周りの様子も窺ってみましたが、どうやらグルっぽい人はいない雰囲気。
でも・・・
観光客の多いバルセロナでは、普段からスリ・ひったくり・ニセ警官などの被害が多く、
実際に私もこれまで何度か現場を目撃しています。
総領事館や日本人会からも、「特にニセ警官やニセ署名は、あの手この手でバッグから
お財布を出させようとするのでくれぐれも気を付けるように…」と再三注意を受けている
ほど。
この老婦人、本当に困った様子だし、電話代くらいは渡しても良いかなあ、と一瞬頭を
よぎったのですが、やっぱりバッグを開けるのだけは拒否することに。。。
私:「アメリカ領事館に行ってみたらどうでしょう? 多分いくらかお金を貸してくれる
と思いますけど…」
老:「領事館は丘の上の遠いところにあるので、この老体ではとても歩けないの。」
私:「ホテルで頼めば、電話が使えるでしょう?」
老:「今回はホテルに泊まっているのではなく、友人の別荘のアパートにいるので電話が
できないのよ。」
私:「そこのお店(目の前にある)で電話を貸してくれるように頼んでみましょう。私が
スペイン語で説明しますから。」
老:「もう結構。みんな私のことを悪い人間だと思っているみたいでとっても悲しいわ。」
私:「お力になれなくてすみません…」
そんなやり取りの後、老婦人はトボトボと立ち去りました。
作り話っぽくて怪しい感じは拭えないし、お金を渡さないのも自分で決断したこと。
でも、老婦人の別れ際の悲しそうな困った表情を思い出して、今日の午後はずっと後味が
悪い気分です。
あの話が事実だとしたら、本当に困っているだろうなあ… その上バルセロナの印象は
最悪だろうな…などと思って。
海外で暮らす場合、特に安全面は日本と同じ感覚では生活できないし、その対策は“自衛”
しかありません。 何かトラブルが起きた場合は“自己責任”という世界なので。
日頃からそれは重々意識しているつもりなのですが、でも「人を見たら泥棒と思ってしまった」
自分がちょっと悲しくて、少々不愉快。
かと言って、やはりお金を出せば良かったとも思えないのですが。
どういう対応が正しかったのか、未だに気になります。。。